W還ライフスケッチ 149

「往き値」

 

「変さ値」の「変」は、「このおっさん変やでおもろいで」というときの「変」

立ち飲みの値打ちは「高い、安い」や「うまい、まずい」とちがって、

集まる客の「変さ値」の高さで決まります!なんて切り口で、W還ステージの日々を表現する言葉として1人悦に入っている「変さ値」

今日は、この言葉のマイナス面に目を向けざるを得ない出会いがたくさんありました。こんな日も珍しいです。そうなんです。「変さ値」がプラス方向、周りの人を明るくするキャラクターの特性基準とすれば、その反対、周りを凍てつかせるような変さ、私の周りでは「往ってはる」という言葉を使っていますので敢えて「往き値」という言葉を使いますが、そんな「往き値」の高い方にたくさん出会いました。

まず、道端に座ってひとり悦に入っておられて、こちらが眼差しを向けると究極とも言える人懐っこい笑顔を返してくれたおじさん。このパターンは結構ふつうで、「往ってしまいはってんな」と少しやさしくも無責任な対応でやり過ごしました。

次に、スーパーで後ろから突然声を掛けられた(と思って)、振り向いたら一人こっちを向いているのかどうか定かでない眼差しで、意味不明なことを喚めき掛けてくるおじさん。だまって背を向けましたが、街の武家の私としては、不用心な対応だったなと反省しています。

同じスーパーで黙々とレジ袋に、大量の買ったものを詰め込んでいたおじいさん。突然、レジに向かって「さっきの1万円の釣りどないなってんねん」

「こうこうでお渡ししました」とレジの少年。おじいさんは、納得したのかどうか、無反応、無表情で詰め終えて立ち去られました。

なぜか道端に立って車を誘導するような仕草を繰り返しているおじさんもいました。いつもの鶴橋のガード下で、歩行者にいらん注意を呼び掛けているおっさんではなくて、別の方です。

今日は、初めて出会う「往き値」の高い方が4名、蕎麦屋で1人吞みして自分の家にいるかのようにふるまっているちょい往きかもと思える方、いつも出会う方を含めると10人近くも「往き値」の高い方に出会ってしまいました。今のところ♪往かないでっ♪って祈るしか術はありません。

でも考えれば、自分も同じ社会の枠組みの中で、同じ環境に、同じ種として育っているわけですから、「往き値」は確実に高まっているハズですが、自分ではわからないのも「往き値」の特徴のようです。知らぬが仏ってことなんでしょう。

*おじさんとおじいさんの使い分けについて

自分と同世代あるいはそれ以下と思われる方にはおじさん、あきらかに年上と思われる方にはおじいさんという表現を使っているつもりです。ただ観察の精度は、近頃とみに自信がありません。