W還ライフスケッチ 48

雀の群れは「各々方」系

雀が群れてチュンチュンというよりは、チュチュチュチュチュチュチュチュ陽気にかしましい街路樹がありますよね。大して大きい木でもないのに、下から見上げても本当に一羽も雀の姿は見えないです。

すごいなあと思いながらそんな木を見上げていると、一羽の鳥がかなり上空をふ〜っと飛来。

雀のお宿は、瞬時にピタッとシーン!

これって「面々の計らい」!?

「静かにせい!」なんて指揮雀も、雀のお宿に組織的命令系統もあるとは思われないので、きっと「面々の計らい」に違いない。

一羽一羽が、自分の判断で行動して、それが群れとして一糸乱れぬ瞬時のリスク管理を実現している。

人間、負けてますよね!

 

「面々の計らい」は、先日亡くなった吉本隆明先輩が、赤穂浪士の討ち入りをテーマとした論文の中で使われていたと記憶しているのですが、間違っていたらごめんなさい。

 

「面々の計らい」とセットになっているのが、討ち入り前の名セリフ「各々方、討ち入りでござる」

なんでかわかりませんが、このセリフ妙に刷り込まれてますよね、心に。

 

誰かの呼びかけによる「みなさ〜ん、あの悪そうなKさんをなんとかしましょう!さあ討ち入りしましょう!」ではないんですよね。

 

同士が、「面々の計らい」でこの日に向かって準備してきた、その一人ひとりへの信頼と、その志に報いる時が今来たって感じが伝わって、いいですよね「各々方、討ち入りでござる」

 

いい響きですね〜。言ってみたいですよね「各々方」なんかの時に。

 

*「各々方」は「おのおのがた」って読みます。長谷川一夫の鼻にかかった声をイメージしてください。